●●してはいけない試験片


CHALLENGING THE EXTREMES

  ●●してはいけない試験片

厳しすぎる加工条件 EPISODE 1
「●●してはいけない試験片」

 

厳しい加工条件の試験片づくり

ムソー工業には、

様々な厳しい加工条件の試験片製作が持ち込まれます。

これまでの経験の蓄積もありますが、

完全に同じ案件というものは、ほぼありませんので、

その時々の条件に合うように、

都度、知恵をしぼって、案件ひとつひとつとむきあいます。

 

今回は、よくある厳しい条件についてご紹介します。

 

熱を加えてはいけない試験片

試験片づくりでよくある条件に、

「熱」についての条件があります。

高温になると、材料の性質が変ってしまうので、

高温にしないでくださいという条件です。

通常、金属を切り出す際には、

グラインダーや、電動のノコギリ、旋盤などを使用します。

材料と刃が接触すると、摩擦によって熱が発生します。

高温になるのは、普通の現象です。

 

そこを、

なるべく高温にしないためにどうするかというと、

水をかけるなどして、

冷却しながら作業をすすめるのが通常です。

 

水を使ってはいけない試験片

ところが、担当者の頭を最も悩ませる条件に、

熱だけではなく、

「水もかけてはならない」

という条件が追加された場合があります。

 

グラインダーを使うような作業の場合、

特殊な熱を出しにくい刃を試す場合もあります。

実際にちょっと使ってみて、

火花の出具合で、判断したりするのですが、

材料によって、刃の効果がうまく出たり、出なかったりでして、

刃の選択だけでは、

なかなか熱を抑えられないのが、実際のところです。

 

研磨して、削り出す場合は、

特殊な冷却台の上に載せて

冷やしながら作業をする場合もあります。

 

問題なのは、ノコギリで切断するような場合です。

その場合、水の代わりにエアを吹きかけて

冷却する方法があります。

 

しかし、エアで冷却すると

大量の切子(微細な金属片)が空気中に舞い、

環境に悪影響があります。

マスクをして作業しているのですが、

長時間になると、喉が風邪をひいたような状態になるので、

飛散しないような工夫が必要になりますし、

なるべく避けるようにしています。

 

他には、ノコギリの刃や操作を工夫して、

熱の発生を抑えます。

 

まず、ノコギリの刃自体に水気が付いているので、

事前に運転して、水気を取り除くことから始めます。

 

ノコギリの刃は、

細かい目のものを選択します。

細かい目の刃で少しずつ切断していくと、

熱の発生を抑えられます。

 

そして、刃の切れ味が重要になります。

切れ味が悪いと、単に金属同士を

こすり合わせた状態になってしまうので、

摩擦で熱が発生します。

よく切れる、新品の刃を用いることで、

熱を抑えることができます。

 

そして、ノコギリのスピードの調整も大切です。

スピードを遅くすることで、

熱の発生を抑制できるので、

材料の状態をみながら、調整します。

 

●●してはいけない試験片

このような細かい工夫を重ねて、ムソー工業では、

「熱」と「水」をかけてはいけない条件に対応しています。

 

今回ご紹介したのは、熱と水でしたが、

時には、「油」をかけてはいけなかったり、

「手でふれてはいけない」という条件があったり、

ムソー工業は、難易度の高い条件の案件に

日々挑戦し続けています。